「俺ものせてー!!」
「うん!」
そり遊びをする子どもたちの会話です。
あそびを介して
子ども同士がつながる場面も増えてきました。
話しかけるとまではいかなくても、
同じ空間に居るのを横目で見ていたり
並んでそりすべりをしたりと
お互い「ここにいる」実感は得ている様子。
この一年、農村がっこうは、
コロナの感染予防で
ふれあいあそびを積極的にはせず、親子の活動がメインになっていますが、
子ども同士のかかわりも
少しずつ濃くなっています。
しばらくして、かまくらを作ろう!ということになりました。
「どこを入り口にする?」
「じゃぁ、こことここな!」
せっせと掘り出すものの、雪が固い。
おうちの人も手伝ってくれ、
他の子どもたちも集まって、
はぁ… はぁ・・・
はぁ・・・
息を切らしながら頑張るがんばる。
お、違うところを掘っている子どももいます。
(先月は他の子どもたちの様子を離れて見ていたのが、積極的に掘っている!)
「力強い!」「たくさん掘ったね!」
なんて言われて得意気な表情がまたかわいらしい。
あ、あれ?!
始めに、掘ろう!と言っていた子が掘るのを止めて、雪山の上へ。
その分、お父さん、がんばります(笑)
たくさんの子どもや大人の協力で、
ぎゅうぎゅう10人は入れるほどの穴を掘り、一旦完成☆
早々に穴掘りを止めた子どもがまた雪山の上に。
「そこ乗ったら、潰れるかもしれないからあっちであそんでー」
と言ったのもつかの間・・・
ドスン‼
穴が、埋まりました・・・・(´-ω-`)
一瞬、辺りは静かになり、大人も子どもも思ったでしょう。
「だから、言ったじゃんかー!」って。
このみんなのがんばりが一瞬にして崩れたんですもの。
ここで最初に口を開いたのが、
一緒にかまくら作りを始めた子どもでした。
「お前、(この後)いっぱいがんばって掘れよ。」
それ以上でもそれ以下でもない、
素直なことば。
ここで思いきり怒って
気持ちをぶつけるなんていう場面もあっても良かったくらいですが、
この強く前向きな一言に、
言われた本人は救われたはず。
ここで周りの大人の方々も
「謝りなさい!!」とか「そんなこと言わないの」なんて
言わずに、見守っていた姿も素敵だったなぁと思うんです。
だって本人は、取り返しのつかないことをしてしまったのを分かっているんですから、無理矢理言わせなくたって良いのです。
引きずらない。
陰でグチグチ言わない。
想いを伝え、受け止め、そうやって相手の想いに気づき、
人とのかかわりを学んでいくんですよね。
さて、
実はこの出来事には続きがあって。
この後おやつタイムになり、一旦あそびの場から離れました。
かまくらを崩してしまったあの子は、
みんなが食べ終わったコップとお皿を集めて率先して片付けてくれました。
きっと、“みんなの役に立ちたい”思いがそこにあったんじゃないかな。
小さな身体で頭と心をたくさん動かしている子どもって、
やっぱりすごいなって思います。